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逆転満塁ホームラン!
第3章 不吉な予感
「やっ、あれはお酒のネタというか……」
「ネタなあ?俺らがあそこでキレて出ていかんかったんはお前の横に住友の御曹司が居てたからやけどな」
「なっ、それって……」
うわ、やばい。そう思った。
「──っていうのは冗談で、純粋にチヤホヤされる事に慣れてる俺達が面と向かって自分達の悪口聞くんが新鮮でオモロかっただけやけど。」
「言いたいなら言うてこいや、ってなワケで小堺に頼んで今日、お前をここに呼んでもらったって感じ。」
「まあ、お前は阪神ボロ負けしたし球場スタッフの仕事も想像と違うから、そんな文句すら言う元気無いやろうけど。」
ああ、結局嫌味を言いたかったのか。
そういう事だ、と理解したのは早かった。
「ッ、そんなん絶対にケータリングでご飯食べるのも私があそこに応援で回されるって分かってたからでしょ?」
「はあ?」
「だって絶対そうでしょ。あたしに、あんな嫌味言うてきて結果、天草はヒーローインタビュー受けてたやん。」
「マジでヤラセって感じ。まあ、まんまと貴方達大スターに気付かなかった私も、あそこで売られた喧嘩を買ってなかった私もアホやけど。」
──だけど、内海さんと話せた事は良かったかな。
イメージ通り、お茶目だけど大人な男性特有の優しさとかが有って、本当に人の良さそうな期待を裏切らない人だった。