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逆転満塁ホームラン!
第3章 不吉な予感
「……吉瀬ちゃん!!」
呆然とする天草を押し退けて、ウイスキーの様な物が入ったショットグラスを二つ持ってきたのは柳くん。
心なしか先程よりもテンションが上がってる。
あたし達の様子を見て驚いていた彼はどこにいったんだろう?まあ、今日投げきったから明日の登板は無いし羽目を外すの当たり前かもだけどさ。
「はっ、はい。」
だけどケータリングの時の話とか、ここでのこの子を見る限り私は別に嫌いじゃない、柳恭平という人物の事を。
多分、相当変わってるけれど根は悪い奴じゃないだろう。純粋にバカで、純粋に今を楽しんでいる……そんな人だと思う。
どちらかと言うと総司と天草流が似てる性格かな。
我が強くて、ハッキリしてる様に思えるのにイマイチ掴みどころがない。
まあ、総司のほうが何百倍も好きなんだけどね。
「コレいっとこ!俺も同じウイスキー、ショットでニ杯いくから!二人一緒なら怖くないべ?」
「……はあ?!聞きました?!あたし、明日仕事なんですけど!」
「大丈夫だって!あんず屋でもあれだけ飲んでるのに帰る時にはお会計キッチリ割り勘にして意識はハッキリしてるべ?これ位で死ぬ様なヤワじゃないじゃん?」
……この人も、他人の事をよくみてるものだ。
いくらあたしが関西人丸出しだからと言っても、天草が興味を持ってたとしても、まさかそこまで見られてるとは思ってもなかった。