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逆転満塁ホームラン!
第1章 銀行系の御曹司クン

「辞める事になれば、辞めればいいんだよ。お前の年齢ならどこだって再就職可能だろ?」

「まあね。」


「別に政治の世界にこだわる必要なんて全然無いんだし、何だったら俺が口利いて自分の部下にしてやろうか?」

「なっ、それって私に天下の住友東京銀行の本店で働けってこと」

憎たらしい顔で首を縦に振った総司の頭を思い切り叩いた。いてーな、なんて言いながらもニヤニヤしているコイツは絶対に、マゾっ気があるに違いない。

「あんなところで働いたら過労死か妬み死するに決まってるやん!」

「妬み死い?何だ、それ。」


「あんたとの仲が皆にバレて、私が女の子達にボッコボコにされて死ぬってことよ!」

「はっ、そんな事あるわけねえべ」


……コイツ。

いや、まあ仕方ないか。

小学校と中学校の半分はイギリスに居たらしいし、自分と同じ位のレベルの女の子を沢山見てきてるせいで目が可笑しくなっているんだ。

でも総司は自覚が無いにもほどがある。

コイツは、かのマッカーサーに解体された旧財閥の一つでもある住友東京財閥の御曹司。そのままの血を引く家庭に産まれた長男なんだ。

日本で知られている旧財閥は三つ、住友東京・麻生・三菱だろう。


──財閥、と言えるのかは分からないけれどその三つよりも今現在で資金力やグループ力がある新興財閥と云えば世界のトヨタ系列と、WWCの会長でもある千里初(せんりはじめ)さんの千里系列。

だけども、やっぱり住友東京の力は凄い。


ご両親が出来た方だから私なんかとお話をしてくれるだけであって、普通ならこんな凡人は家にも入れてくれないだろうし、こうやって総司と二人でご飯だって食べれないだろう。

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