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逆転満塁ホームラン!
第1章 銀行系の御曹司クン

実家近くの汚い居酒屋で、たまたま常連同士顔を合わせて話をして──野球、という趣味が合ったからここまで仲良くなれただけだ。

もし青山先生が根っからの阪神ファンじゃなかったら?私に野球の知識を与えていなかったら?

私も野球が大嫌いだったら?──きっと、今ここで総司とご飯は食べてなかったと思う。

これが神様のイタズラ、ってやつだろう。


「あ、なんならWWCに入れば?」

思いつきで話す、ザ・B型のコイツの性格にはもう慣れた。人の事を【年齢詐称のおっさん女子】とバカにしているけれど、こいつだって相当な【変子】だ。

「次から次へと思いつきでモノ言わんとって!」

「はあ?別に俺が向こうの専務にでも言えば、里奈も若いし120%採用になるじゃん。そうなればお前は東京に来て何時でも俺と飯食えるし最高だろ?」


「ちょいちょいちょい、あんたとご飯食べることが私の幸せ、みたいなその言い方ちょっと撤回して!」

「何で?お前が住友東京入って妬み死で死ぬってことは、お前も俺と「……っ、私は違うわ、このドアホ!」

思いきり出た根っからの関西弁がよほど面白かったのか、首を上にして爆笑している総司を睨みつけた。

「ごめんごめん、でも東京もいいじゃん?」

「無理!!東京は無理!!」


「はあー?なんで?」

「まず標準語が無理やし、第一にアンタと同じ都道府県に住んだら思いつきで呼び出されて夜中まで酒に付き合わされて……挙句の果てに、あんたを狙ってる女達に有る事無い事言われそうやもん。」


「お前もあれだなあ、議員秘書になってから出しゃばる事を嫌いになったんだなぁ。」

「違うわ!元々、縁の下の力持ちが向いてる人間なだけです!」

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