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逆転満塁ホームラン!
第4章 深夜の炭水化物
「なにそれ、柳酔ってんちゃん??」
面と向かってそんな事を言われると、まるで総司と私の関係が変わってしまいそうで恥ずかしいし嫌だ。
軽く頭を叩いてから誰にも煽られていないのにそこら辺にあったテキーラを一気飲みした。
「おおっ、さすが吉瀬ちゃん。決まってんねえ」
「うっさいわ、アホ!」
ゲラゲラと私達が笑い合い、女の子達の浜崎あゆみメドレーが終了したと同時だった。
一番、この部屋に居る女性の中で綺麗なミサトちゃんが勢いよく立ち上がり、顔を両手で覆う。
「何なんッ……流、あたしら付き合ってるんちゃうん?」
「俺、知らんやん。何も言うてないしお前が勝手に大阪来たらミサト呼ぶからって勘違いしだした事ちゃうんけ」
「それなら──それならっ、そんなつもりは無かった、お前は現地妻でしかないってちゃんと言うてよ!」
「期待させるだけ期待させといて、今日だって……今日だってそうやん!あたしの目の前で女抱いて、挙句の果にはこんなワケの分からん華の無い女に目ぇ奪われて?」
「今日もアイツと遭遇したとか、おっさん臭い女やけどオモロイとか、ただの話なら……ただの話なら我慢してたよ!何も思ってない女抱く行為を見る事ならまだ我慢出来たよ!」
「だけど──あたしが横に居るのに、あんたは柳君とあのブッサイクな女が話してるの見てあからさまに不機嫌なってんちゃん?!それって気になってるからじゃないん?!」
「……ぶはっ、ゴホッ!」
ブサイクな女と言われた事に驚いてテキーラを吹き出し、そして気になってるなんていうパワーワードに驚いて残りのアルコールが器官に詰まってしまった。
急いで水を飲むけれど、まだ咳は治まらない。
柳君はこういう修羅場に慣れてるのか何なのか、全くそっちを気にせずに私の背中を優しく叩いてくれた。
「大丈夫?吉瀬ちゃん」
「ゴホッ……無理っ、水っ…!」
そりゃあアルコール度数がビールの何十倍もあるショット専用のお酒が器官に詰まるなんて、地獄でしかない。
喉は熱いし、今すぐにでも焼けてしまいそうだ。