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逆転満塁ホームラン!
第4章 深夜の炭水化物
「俺は、お前を球場スタッフてか……球団スタッフの広報として入社させる様にクチ利いたんだよな。俺の親父もそれは聞いてたから知ってると思う。」
「……ええ、じゃあどこかで話しが可笑しくなったってこと?」
「いやっ、俺が問い合わせたら『上から言われた通りにしましたけど』って向こうも呆気に取られてる感じなんだよな。話しがちげえだろ、ってキレても逆にアタフタされちゃって」
さすがの高級ホテルらしくバシバシにならないリンスに感動しながら、上を向いて髪を流してる私。
だけどちゃんと話しは聞いてる。確かに可笑しい。
「何やろうな。流石に住友財閥からの圧力に逆らう様な真似はしやんと思うけど。」
「だろ?俺もそう思う……ってか、はあ。……里奈!おめえ人が真面目な話ししてんのにガラガラって音出してウガイすんなよ。」
「仕方ないやん、お酒の匂い残ってるの嫌やし。」
「……チッ、なんか腹立つわあ」
「何に?あたしに?」
「いや、お前は元々それだからもう慣れたけど。お前じゃなくて相手の対応だよ。俺が言い間違えるハズは無えし、親父だって聞いてたのに。」
「でも言ってしまったことは仕方ないやん。私、てっきり可愛い子には旅をさせろって諺に忠実に従ってると思ってた。」
「俺がお前に、んなリスキーな旅させると思うか?7年もあの世界で勤め上げたお前に、いきなりバイトなんて苦労でも旅でも何でも無えだろ。」
「……。」
「ま、里奈に愚痴っても仕方無えけど。」
「とりあえずそんな所で働かなくて良いから。明日にでも辞めて来いよ」
「──マジで言ってる?」
出たあ、また総司のこの性格。
これってボンボンだから、とかじゃなくて生まれ持ったDNAの問題な気がするわ。