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逆転満塁ホームラン!
第4章 深夜の炭水化物

シャワーを止めて、バスタオルで身体を拭いていると向こうも少し冷静になったのか声のトーンが低くなった気がした。

あ、冷静になったというか声を張る必要がなくなったのかな。それなら、なんか申し訳ない。

「お前も辞めたかったけど、どうせ俺の顔があるし……とか俺には何かしら考えがあって……とか思って辞めなかったんだろ?」

「近いわな。」

「それなら──はあ、悪かった。俺のミスだわ。とりあえず辞めてこい。」


「でもさあ、そんなんイキナリ辞めるなん「今度こそ親父に有ること無いこと言って上から圧力掛けさせるのと、お前が自分で自主退職するのどっちが良い?」

「はあ?!アンタって性格悪ッ!」


「悪くねえだろ。里奈、お前も自分の年齢考えろって。結婚出来るかどうかも分からねえお前が社会保障の無い所でコキ使われるのは違うだろ。」

「いやいや、結婚とかの件は全然関係ないけど?」


「養ってくれる人が表れるか分かんねえのに、ってことだよ。」

「……なっ!」 


「今直ぐにでも東京来れるなら、前以上の給料で全部面倒見てやれるけどそれは嫌なんだろ?」

「そうやね。てか、さすがに今日の明日で東京ってのは無理な話しやと思うし、あんたにそこまで迷惑かけるつもりもないし。」


「……まあ、俺は近くに居てくれた方が心配しねえし良いんだけど。でも、大阪でお前の場所作ってやろうと思ったら、今度こそ伝達ミスが無い様にしたいし一週間は見てほしいわ。」

「明日辞めて、そこから一週間はニートでってこと?」


「ニートじゃねえべ?自分の人生を500万の退職金と共に考え直す時「ニートやな。」


「ははっ、まあたまには良いじゃん?ずっと頑張ってきたんだし。」


「……うーん。」


「お前が俺の言うことばっかり聞くのが嫌なのも分かってるけど、自分の管轄外の所で苗字使ってこうなったから、今度は管轄内、もしくはかなり近い所で苗字使うつもりでいる。」

「負けん気強くて、勝ち気な蒼井里奈ちゃんは、そんなの嫌だと思うけど、まあここは俺のミスを俺が拭くってことで許してくれね?」

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