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逆転満塁ホームラン!
第6章 チワワの逆襲

「そのままの意味なんです。近藤さんにも同じ事聞かれました。まあそこまで直接的な言い方はされなかったですけど…」

「抱かれてないってどういう事?何の関係も無いのにサンプリング係からイキナリ見初められてバックルーム入りしたって?」

今度は、チワワが『そんな分かりやすいウソつかなくていいって』という具合に私をあざ笑う番だ。

でも、そんな意地悪には負けたくない。


今直ぐにでも目の前にある、おーいお茶のペットボトルをコイツ目掛けて投げ捨てたい気持ちを抑えた。

そして……事の発端を説明する。


「私、一ヶ月前に阪神甲子園球場で仕事をし出したんです。確かに、それは紹介でした。」

「でも、この仕事を紹介してくれた人は住友東京銀行に務める"住友総司"って云う、住友グループ会長"住友明慶"の長男坊なんです。」


「……へっ?住友って、あの住友?」


「はい。あの住友、です。」


総司の事を話すと、みんなこんな感じの顔をするなあ。

目を大きくするというか……信じられないって言葉を全身全霊で表現するっていうか……。


「で、スタッフさん達が集団でインフルエンザにかかったとかで私がケータリングの手伝いをする事になったんです、昨日。」

「その時に柳君と天草君に確かに、声は掛けられました。」


「……し、天草君に誘われてその二人と私の三人で飲みました。でもその場にはホステスさんも居たし、恋愛関係に有るとか男と女の関係に有るとか、そんなんは無いんです。」


「ただ、隠し事をしないのであれば……」

「私と天草君は、行きつけの焼肉屋さんが同じやったらしく何度か遭遇をしてます。その時の私の態度を面白がって彼が自分の居るクラブに誘ってくれたので一緒にお酒を飲むことになったんです。」


「だから、顔さえ合わした事がない……とかそんなウソは付けません。一緒に飲んでますし、ご飯も食べてます。」


横ちゃんラーメンの事や、同じホテルに泊まった事は伏せておこう。それすら言ってしまうと、また別の方向に話が進みかねない。

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