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逆転満塁ホームラン!
第6章 チワワの逆襲
「うおっ、何だよ柳!」
「いや?ただ、吉瀬ちゃん今日からバックルームスタッフの筈なのに中々来ないから近藤さんに聞いたらチワワと一緒に会議室に居るって言うしさ」
「チワワ、結構キツイじゃん?特にどこの馬の骨か分からない様な若い女には余計。……で、吉瀬ちゃんが詰められてんじゃねえかな?って心配して飛んできたんだよ」
何食わぬ顔で、ちょっと酷い事を言った柳君もやっぱりチワワとはそんなに性格は変わらないと思う。
だけど今の私には……とても優しい紳士の様に見える、ああ、やっぱり私って単純な女だわ。
こんな場面で私の事を知っていて、尚かつ味方になってくれそうな人が現れたら、もうそれだけで白米三杯は余裕だろう。
「多分、アイツだべ。……天草。」
「天草ぁ?何で。行きつけのご飯屋が一緒で、面白がって一回飲んだきりだろ?」
「アイツはフライデーに載らない様に徹底してるし、女なんて虫ケラ程度にしか思ってないでしょ。それなら尚更、そんな何回かしか会って無い子を、わざわざ自分で上に直談判してバックルームスタッフにするとは思えないけど。」
「それはチワワの勝手な憶測だべ?」
「アイツは誰よりも負けず嫌いで好奇心旺盛なんだよ、昔から。自分の悪口を面と向かって言う吉瀬ちゃんを面白いと思うのは普通だし……」
「好奇心を抱くのも普通。」
「もっと言えば、俺らの前でナイン組の悪口散々言う様な子だかんな。そりゃあ俺も天草も"何、コイツ"って思いながらも面白がるだろ。そんな経験今まで無いんだし」