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逆転満塁ホームラン!
第6章 チワワの逆襲
「……はあ、何だそら?お前達、球団とプライベートを一緒にされちゃあ困るぞ。」
「してねえよ。第一、吉瀬ちゃんは甲子園のバックルームスタッフじゃん?俺達が年間何百試合とする中で甲子園での試合は幾つだぁ?そう思うとたまには良いじゃん?」
「──ああ、柳と天草に言われたら俺達すら何も言い返せないからなぁ…。はあ、分かった。分かったけど」
「変な事はすんな、だろ?」
「そう、その通り。お前らは女に関しては見境無いんだからな。ああ!そうそう、柳。お前またAKBの子を食っただろ?それもフライデーから情報来てるんだし…」
「えっ、載るワケ?」
「いや、それは金払ってとりあえず丸く収めたけど。球団もいつまでもそんな事は出来ないんだから、さっさと家族持って身固めてくれないと「あーまたチワワのお節介が始まるべー?吉瀬ちゃん、バックルーム行こ」
「えっ、ちょっと柳くん……!」
小姑の様な呟きを本気で聞きたくないんだろう。
ウィングスのエースさんは、私の腕を掴むとチワワに思い切り変な顔をしてから部屋を後にする。
こうやって見るとやっぱりプロの野球選手とチンチクリンの私ではスタイルというか…身長というか…全てが違うんだよなあ。
そりゃあモデルさんの様に160cmを越えてて、顔が小さくて、尚かつスタイル抜群の人と結婚をするだろう。
「チワワに何もいわれなかったべ?」
「まあ、怪しまれましたけどね。」
裏の廊下を歩く時も、彼は私の腕を離そうとしない。すれ違う関係者さんが何人か、不思議そうな瞳で私達を見つめてくるがマイペース極まりない彼にはそれが分からないみたいだった。
「そりゃそうだよな。俺達も昼前に集まってチワワからバックルームスタッフとして蒼井里奈って子が入るって言われた時、マジで驚いたワケだし…」
「でもま、俺はアイツと幼馴染だべ。あん時の天草のニヤっとした気持ち悪い顔見て、あいつが仕組んだんだって直ぐ分かったけど。」
「何でそんな事されるのか分からへんけど。私からしたら。別にあの日もラーメン食べて一緒のホテルで寝ただけやし…」
「ああ、聞いた聞いた。部屋は隣同士ってやつ?」
「そう。だから全く変な関係になってないのに。」
「変な関係になってないからだと思うけどなー」
「ん?どういう意味?」