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逆転満塁ホームラン!
第6章 チワワの逆襲
「アイツが言ってたべ、頼むから部屋に帰ってくれって必死な顔して頭下げられたって」
「俺とか天草に関しては、遊びでも良いから一回抱いてくれっていう女しか知らねえから。アイツからしたら、自分をそうやって拒否される事が快感っつーか……まあ面白かったんだろ。」
「でも、それってよっぽどのマゾやん。」
「吉瀬ちゃん分かってねーべ?野球選手なんて暑い夏も寒い冬も関係なくずーっと野球しかやってきてねーんだよなぁ。だからある意味、マゾ体質に出来てんだよ」
「……ふーん。」
分かる様な、分からない様な。
たまに深い事を言う柳君の性格は、本当に掴めない。
そんなこんな話している内に、彼が一つのドアの前で立ち止まった。壁には『東京ウィングス様』という文字。
多分、ぐるりと回って反対側にはホームである阪神のバックルームが有るのだろう。
ワクワクしてそうな柳君を見つめると、なぜか子供を見守る母親の様な笑顔が浮かぶ。
彼にキツく腕を握られたまま、私達は新たな門出になりそうなドアを開いて、ボディソープの良い香りがする部屋へと足を踏み入れた。