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逆転満塁ホームラン!
第6章 チワワの逆襲
☆
「なあ、柳。」
「何すか?内海さん。」
「あの子居るじゃん?」
「あの子?ああ、吉瀬ちゃんの事っすか?」
「そう。」
「あれって天草が頼み込んだんだろ?上に。」
「らしいっすね、俺も深くは知らないっすけど」
「何でなんだろうな?アイツの今まで側に置いてきた女の子達って皆、吉瀬ちゃんと真逆じゃん?」
グローブを拭きながら軽く話しを聞いていた俺だけど、最年長らしいどこか物事を俯瞰した視点の言葉を言われて、思わず顔を上げた。
「さあ?それは俺も知りたいっすね。」
「んだ、お前もそこまでは知らないんだ。」
知るわけねえじゃん。
確かに天草とは幼馴染だし、向こうの母親の事もよく知ってる。何なら離婚してる父親の話しだって聞いた事がある。
一緒に飲みにいってバカ騒ぎする事も多いし、やっぱり相棒となれば天草しか居ないから女の趣味もある程度は分かってたはずだけど……確かに内海さんの言う通りだった。
アイツが今まで抱いてきたり、興味を持ってきた女の子達はほとんどスタイルが良い。
モデルみたいな長身に、茶髪のロングヘアーに、少し派手な顔立ち。リリーのミサトとかは、天草のタイプど真ん中だった。
でもアイツが構って欲しそうなのは、蒼井里奈っていう真逆の子。
背は低いし足も長くない。本当、普通のスタイルだと思う。顔は確かにミサト系の綺麗目だけど……。
でもモデルや女優と云った、それよりも郡を抜いて綺麗なのを見てきた天草が敢えて吉瀬ちゃんに、そこまでちょっかいをかける意味は俺も分からなかった。