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逆転満塁ホームラン!
第7章 出会いの人員不足
それでもやっぱりバックルームスタッフというのは売り子さんやサンプリング配りとは又、全然違うしんどさが有る。
選手たちに気を使うのは勿論のこと、ルームの綺麗さを保ったり、一人一人のペースを把握して試合前や試合後の邪魔をしない様にしたり。
一つ助かったのは一戦目はウィングスもカープも両方勝ってくれたことだろう。
あの日ばかりは、阪神ファンの私もカープが勝ってくれたからこそバックルームの雰囲気が変わらないままだったたんだな、と大人に考えることが出来た。
『ウィングスに疲れたら連絡しておいで。』
とほぼ無理矢理、追加させられた松本さんのライン。
お世話になりました、という簡単な挨拶の連絡だけ入れてから部屋のベッドに寝転がった。
明日は球場がくれたお休みの日。
特に予定も無いのでネットサーフィンかな、それともネットフリックスかな、と思いながら煙草に火を付けた時、ラインではなく普通の着信を知らせるあの音が鳴り響く。
液晶には『住友総司』の文字。
時刻はまだ23時だ。コイツからの電話は早くても終電の時間くらいだから、こんな早くに電話が来るのは珍しい。
既に化粧の落とし終わった顔に軽く幻滅しながら、指を右にスライドさせた。