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秘メゴト
第3章 変わりゆく日々
モジモジする美沙子の話をまとめると、結婚を考えている人がいるから一緒に会って欲しい…だった。
断ったところで、諦めるわけが無いので眠気も手伝い伊都は即OKの返事を出した。
「今度の日曜日、空けておいてね。お母さんまた出るから、よろしくね!」
娘の良い返事を貰えて嬉しかったのか、足取り軽く再び玄関の外へと消えて行った。
「…帰って来たんじゃないんだ」
眠っていた娘を起こし、自分の用件を済ませまた出て行く母親。どれだけ自分の事しか考えてないのだろうか。
すっかり目が覚めてさしまった伊都は、勇史に電話をして起きていたら相手をして貰おうと思い、携帯を取った。
だが、その前に着信があった事に気付く。
「柿元君からだ…」
着信時間は、美沙子が帰って来た少し前。伊都が爆睡していた時で、気付かなかったらしい。
日付が変わっていたが、多少緊張しながら柿元に電話をかけた。
寝ているかも…という思いと、深夜だということでコール中はドキドキと心臓がうるさく感じた。
10回鳴らしたら切ろうと決めた6回目、ガタンッ!ガゴッ!という不可解な音と共に電話がつながった。
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