この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
two roses & a lily
第7章 カウンセリング
「ボブ、ジョンのカウンセリングに付き合うの?」
「もちろんだよ。何で?」
「長くかかりそうだなと思って。」
「多分そうだろうね。」
「何で彼にそこまで思い入れするの?」
「友達として放っておけない。」
「ジョンの方は友情って感情もわからなさそうだけど。」
「だからといって、メアリーが僕の立場だったら、彼を見放すかい?」
「多分しないと思うけれど、生半可な気持ちじゃ付き合えないなと思うから。」
「そうだろうね。君にも迷惑をかけたり、協力してもらうこともあるだろうね。」
「うん、判ってる。」
「でもさ、医者を目指すって、他人の命に関わる仕事に携わる者が、身近にいる人の健康を見放すなんて出来ないよね。」
「そうね、ボブのそういう優しいところが好きになった私も反対は出来ないんだけど、、
でも、私のこと、、」
「皆まで言わないで、判ってる君のことを疎かにしない。自分のことも、、愛してるのは君だけだ。」
「ありがとうボブ。」
項垂れたジョンを二人で学寮まで送り届け帰ってきたが、彼の壮絶な生い立ちにしばらく会話も出来なかった僕達だった。
メアリーがジョンに付き合う僕のことを心配しているのも判る。
でも、ジョンを放っておくなど出来なかった。
すぐさま実家に連絡する。何科であっても対応可能な医者だらけの家系だ。
ただ、今の生活を崩さずにカウンセリングを頻繁に受けるには、近い場所が必須になる。
親元から離れて暮らす前提で進学したため、生憎通える範囲に身内はいなかった。