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two roses & a lily
第8章 ハイスクール時代


ジョンが高校時代後半一人暮らししていたアパートに行く。もちろん大学に入る際に引き払っているのだが、退行したジョンはそれをわかっておらず辺りをフラフラしているのではないかと考えた。

今の住人に話を聞くが、ジョンは訪れていなかった。他人のネームプレートが掲げられたドアを見て、混乱したかもしれない。

「やっぱり店に行ったんじゃないかな。」

メアリーが言うのもわかる。
だが、そこに行って昔の客に会って体を売っていると思いたくなかった自分がいたのだ。

「そうだね。メアリーは宿を取ってそこで待っていないか?」

「何で?」

「危険だし、見せたくない。」

「一緒に行くわ。ボブがジョンを受け入れた時点で私にも無関係なことじゃないもの。」

「そう、悪いね。でも絶対僕の側から離れないでね。」

歩きながらジョンに電話するが、まだ電源は切られたままだった。

「おぅ、いらっしゃい、新顔だな。ここはベイビーの来る店じゃないよ。」

オープンはしているものの、まだ店には客が入ってなかった。
ほとんどが黒人の住む街で、僕たちは歓迎されていないのはわかっていた。

「マスターですか?突然ですが、人探しに来たんです。」

「ジョンか?」

「来たんですか?」

「ああ、半年位前に突然顔を出さなくなって、こっちは食いぶちを提供してやったっていうのにな。
噂じゃ望み通り医者になるために街を出たって聞いたんだが、
昨日フラッと店に来たよ。」

「それで今はどこに?」

「しばらくしたら顔を出すだろ。昨日はマリーに連れられていったからな。」

マリーとは、ジョンが初めて客を取った相手で、黙って街を出たことを怒っていた女性だとマスターが教えてくれる。

ジョンは昨日店に来て、客に無礼を叱られたが、『毎晩顔を出してるのに』と怒りだして様子をがおかしかったと、、

だから僕はジョンの治療の話をして、再び店に顔を出したら、僕に連絡を入れてもらうようマスターに頼んだ。


「ジョンが帰りたくないと言ったらどうするんだ?」

「説得して連れ帰ります。ジョンには大学があるし、今の生活があるんです。それに治療で一時的に記憶が遡っただけで、治療を続けなければならないんです。」


「それが本当にジョンの幸せなのか?」

「はい?」


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