この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
two roses & a lily
第2章 お務め
医務室に戻るとちょうどジョアンナがうなされていた。
「お兄ちゃん…どこ?」
「ジョアンナ、ここにいるよ。」
手を取って握る。
今まで言葉も発せず唸っていたことを思えば、良くなってきたと考えていいのだろうか。
「お兄ちゃん…」
居ることがわかったのか、安心したような声色に変わり、すうっと寝入る感じだった。
結局ジョアンナがはっきり目覚めたのは次の日の夕方で、それでも水を少し飲んで寝てしまう。
栄養を点滴でとっているとはいえ、お腹が空かないものだろうか。
心配だがようやく落ち着いて眠れるようになった所を無理矢理起こしたくもなかった。
しばらくすると、また医師の往診がある。
「薬の効果はあるようだね。」
の一言に安堵する。
食べることについては、起きて本人が食べたがったらでよいと確認し、往診は終わる。
医師の呼び掛けにも答えないジョアンナが心配だが、やはりまずは眠らせてあげることだと聞いてホッとした。