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two roses & a lily
第3章 クリスマス
次の一年も瞬く間に過ぎる。施設の上級生は30人近くいて、牧師さまに会えるのは大体月に一回だ。
一回会う度に一月が過ぎて、一年なんてあっという間だった。
「お兄ちゃん、願い事って去年と同じでもいいのかな。」
「もちろんだよ。叶うまで書けばいいんだ。」
ジョアンナは今年は俺の助けは要らないと言う。
自分の書きたい言葉が書けるようになったからと、絵も手紙も見せてくれずに封をした。
その年は珍しくホワイトクリスマスだった。忘れもしないクリスマスとなった。
準備を終えた俺達は特別に雪遊びを許された。
雪玉を当てて遊んだり、スノーマンを作った。
俺はジョアンナと一緒にスノーマンを作った。
大きいものが俺で、小さいのがジョアンナだと名付け、ぴったり寄り添うように作った。
やはり、ジョアンナの手紙は読まれることがなく、ジョアンナは凄くしょげていた。
でも、庭に寄り添うスノーマンは絶対に消えないのだと言い張る。
暖かくなったら、すぐ溶けてしまうのに、そんなことは言えず頷いて無くならないと答えた。