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two roses & a lily
第3章 クリスマス
「ジョンすぐに来て。」
クリスマスのお祭り騒ぎが終わって二日目、授業中にシスターから医務室に行くよう呼ばれた。
「雪遊びが良くなかったのかしら…」
朝食の時は何ともなかったジョアンナがぐったりとして高熱を出していた。
呼び掛けても反応もなく、ずっと唸っているだけだった。
お医者さんの言葉が過る、次に高熱が出たら…
いや、以前よりしっかり食べて、少しは肉付きも良くなってきた。
次で絶対なんてない。
俺はジョアンナの手を握り締めて呼び掛けた。
「ねぇ、お医者さんを呼んでよ。すぐに薬をあげてよ。」
「ジョン、連絡してるのよ。クリスマス休暇か往診に出ているのか、電話に出ないのよ。」
「他にお医者さんいるでしょう?」
「連絡しているんだけどね、来たこともないところになかなか来てくれないのよ。」
結局、夕方までどこにも連絡取れず、掛かり付けのお医者さんが夜になって到着する。
「先生、ひどいよ。早く来てよ。」
「一昨日の大雪で患者は沢山いるんだ。ここにだって何とか来られたんだ。」
お医者さんは怒りながらジョアンナの様子を診ていた。