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two roses & a lily
第3章 クリスマス
3日3晩、看病が続く。俺は昼間に少し寝て夜は起きてついていた。
ジョアンナが夜目覚めて寂しがっても、すぐに声が掛けられるように…
薬は前回ほど効かない。少し熱が下がるけど夜にはまた上がり始める。
でも、前回もはっきり目覚めたのは3日くらいしてからだ。
シスターは俺の体力の心配もし始めたが、俺は離れないと言って看病を続けた。
「お兄ちゃん…」
昼間うとうとしていた時にジョアンナに呼ばれたような気がして目を覚ました。
「ジョアンナ…気がついたのか?」
まだ息苦しそうで酸素マスクをしたままだった。
「お願いは叶うんだよね。」
「ああ、絶対に叶う。俺が叶える。」
「もう、叶ってるよ。スノーマン、ちゃんとくっついてる。」
ジョアンナが指差す方を見ると、スノーマンは溶けて一つの塊になっていた。
あれを一緒にいるとかくっついてると言うなんて、そんなんじゃなく、俺が絶対に叶えてやる。
そう言おうとジョアンナを見ると、目から涙が溢れていた。
「ジョアンナ?」
「もう…叶えて…くれたよ…お手紙見てね…王子さまは、来たの…私の王子さまは…お兄ちゃん…だよ…」