この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
two roses & a lily
第3章 クリスマス
俺がジョアンナを抱き起こそうとすると、シスターたちが俺を抱き締めてジョアンナから引き離す。
「何でジョアンナから離すんだよ。ジョアンナと約束したんだ。
ずっと一緒にくっついているって…
止めろよ、ジョアンナから離すなよ。」
そこでまた記憶が曖昧になる。
後から牧師さまに聞かされた話だと暴れて手がつけられないので安定剤という注射をうたれて眠らされていたのだと言う。
ジョアンナのために早く働いて、二人で施設を出て一緒に暮らす。
そんな細やかな目標が、2年もしないうちに崩れ去る。
ジョアンナは、五歳の誕生日を迎える前に、天に召されたのだ。
マムはそのことすら知らない。知ったら何と言うだろうか。俺を叱るだろうか、憎むのだろうか。
捨てた子供のことなんて、何も気にしていないのだろうか。
次にはっきり目覚めたのは、牧師さまのベッドの上だった。
「ジョン…あんなに務めも清めも熱心だったのに…
これじゃあまるで人形を抱いているみたいじゃないか。」
「うわぁああっ…俺が、務めに夢中になってるから、ジョアンナは死んだんだ。
俺が雪の中で遊ばせたから…うわぁああっ」