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two roses & a lily
第1章 プロローグ
机の上にアンから母宛のメモがあった。
いつも通りジョアンナは寝かし付けたこと、お金をいつもより多くもらうことが書かれていた。
俺はそのメモを引き出しにしまっていつも通り勉強した。
アンがいつも通りジョアンナを寝かし付けてくれて良かった。
「お兄ちゃん…お腹すいた。」
いつものようにジョアンナは起きてくる。
「ああ、そうだ。
マムは?
マムのケーキは?」
「マム、忙しくてね、ケーキを買ってくる時間がなかったんだって。」
この時俺は初めてジョアンナに嘘をついた。
マムは帰ってきたけど、ケーキを買えなかっただけだと…
ジョアンナは、朝俺が出てから、アンが来る間までしかマムと一緒にいない。
夕方の出掛けにしつこくマムにまとわりつかないよう、その間に昼寝するようアンに寝かし付けられるのだ。
だから、マムはいつも通り帰ってきたような嘘を…ついたんだ。
すぐバレるような嘘を…
でも、俺自身マムが今日帰って来なかったのが特別で、明日の朝には帰っているだろうと思っていたのだ。