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第5章 ハイスクール

記憶をもとにその場所に向かった。

ジョアンナがずっと帰りたがっていた場所。

記憶のままの古びたアパートメントが見えた。階段を上がって２階に行く。

ドアが塗り替えられて別の人が住んでいたが、インターホンを押してみた。


「どちら様で？」

「以前、ここに住んでいた者なのですが…
あ…えっ…アン？」

「えっ…まさかジョンなの？」

「なんでアンがここに？」

「あなたたちの荷物の整理をしているうちに、大家さんに住まないかって言われてね。結婚してもまだここに住んでいるの。
まあ、入って…。」

当たり前だけど家具やインテリアが変わり、あの時の面影はなかった。

「どうしてここに来たの？」

「高校に通うのに初めて施設を出ることができて…」

「ジョンが高校生か早いわね、そうすると、ジョアンナは小４？」

「…………ジョアンナは施設に入って二年も経たないうちに病死しました。喘息をこじらせて…」

「嘘…やっぱり…」

「やっぱりって？」

「ジュエルに病院に連れていくように何度も言ったのよ、代わりに連れていってもいいって…
だけど保険に入ってないから払えないって…」