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保健体育の授業
第9章 それぞれの道~敦也~

私は知らず知らずで
座りながら敦也の眠るベッドに
伏せて寝てしまっていた。
ハッと我に返り目が覚め
時間を見ると午前5時半。
敦也を見るとまだ状況は
変わらず眠っていた。
そう思ったその時だった。
一方的に握っていた手がピクリと
動いたような気がした。
『あ…敦也!?敦也!!敦也!!』
呼んでも応答はなく
気のせいか…
そう思った瞬間にさっきより
はっきりと手が動き
私の手を握ろうと一生懸命
指が動いているのがわかった。
私はすぐにナースコールを押して
また敦也の名前を呼んだ。
『敦也!敦也!わかる!?』
瞼がピクピクと痙攣し
ゆっくり、ゆっくりと
目が開いた。
『敦也!先生だよ!わかる!?』
声をかけていると看護師さんが
2人駆けつけた。
『敦也の意識が!!』
そう伝えると看護師さんは
少し笑顔になった。
1人は先生を呼んでくれて
1人は敦也の意識確認を行ってくれた。
敦也はまだはっきりとではないものの
何か喋ろうとしたり
苦しそうな顔をしたりして
看護師さんに応答しようと
試みているのがわかった。

