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美女の危ない立回り
第4章 始まりの夏(残暑)
そして1人の女子が教室に入ってきた。
彼女は廊下側の一番前の席にカバンを置きこちらの方まで歩いてくる。
ユミ「おはよ!」
ユウカ「あっ、ユミ!おはよう」
彼女は青井ユミ、藤沢ユウカとかなり仲がいい。
このクラスのトップ2は満場一致でこの二人だろう。
勿論可愛さの事だ。
そして藤沢ユウカがダントツというのは間違いないが、青井ユミも十分可愛い部類だ。
そもそも藤沢ユウカと比べるのは酷である。
全校生徒まで範囲を広げても藤沢ユウカと比較できる女子はいないのだから。
ユミは翔也の机の上で広げられている、漢文の教科書を見つけた。
ユミ「あっ、漢文だ!ユウカ~、私に感謝してよね?笑」
ユウカの字を見て彼女の教科書だと分かったのだろう。
ユウカ「ありがとー、助かりました」
ユウカ「じつは、翔也くんも忘れてたらしいよ?笑」
ユミ「嘘でしょ?笑」
ユウカ「ふふっ、だから写さしてあげてるの」
ユウカが何故か笑いを堪えたような顔で言う。
ユミ「というーか、ユウカのも私のを写しただけじゃん」
ユウカ「あっ、バラシちゃった?笑」
藤沢ユウカはまたイタズラっぽく笑って翔也の顔を見る。
翔也「とりあえず、ありがとう」
ユウカ「うん!今度は私がやらかした時、助けてね」
藤沢ユウカはニッコリと微笑むと、またユミとの談笑を始めた。
翔也は丁寧に書かれたユウカの文字を一文字一文字確認しながら、書き写していった。
今日も相も変わらず暑い日であった。
新学期になっても暑かった今夏の暑さをまだ引きずっていた。