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地獄
第34章 汚臭愛
 奈緒子が覚醒後、部屋を特にベッドを明るくされた。
 マジックミラーはシースルーから鏡になりベッドに正座する奈緒子と、胡坐をかいた坂本を写す。
 奈緒子の両手は自由にされ、ロープはどこかに隠された。
 片足首の拘束具と首輪だけが、奈緒子にはしがみついている。


「ご主人様、あなたは人間ですか? 何回も何回も起ってます」


 奈緒子が男の徴を見ている。
 それは再び、いや三度、いや……数え切れなほど抜いても、上を向いていた。
 

「俺のチ〇ボは、いい女にしか反応せん。奈緒子、お前はいい女だ。そしてエロい女でもある」


 坂本が言い聞かす。


「奈緒子……ですか」


 奈緒子が目を背けた。
 少し考える仕草をする。


「奈緒子、やはりお前もわかっていたか」


 坂本がいきなり言う。
 奈緒子が、「え!」っと小さく吐くと、男を見た。目には驚きがあり、表情は複雑だった。


「幸せ! しかしそんな幸せに、どこか不安と物足りなさがあった。そんなお前はいつ頃かはわからん……わからんが、もう一人の奈緒子を創った」
「もう一人の……奈緒子ですか」
「そうだ。俺が奈緒子を可愛がってやると、そいつが何時も顔を出した。わかっていたろ? もう一人のお前が心から語りかけてきたのを」


 坂本が女の顎をしゃくりながら、言った。
 奈緒子は少し考え、コクンと頷いた。


「奈緒子の中のもう一人の奈緒子……わかります。そして今、その奈緒子に取り憑かれました」


 奈緒子が言った。
 

「取り憑かれた……か。それでもいい。俺はエロ女が欲しい。例え取り憑かれ奈緒子とは違う奈緒子になってもだ。すこしややこしいな……だから!」
「だから?」


 奈緒子が不思議そうな顔をした。
 大人のあどけなさは、エロさを纏い坂本を見る。


「もう一人の奈緒子に、名前をくれてやる! 俺が弄ぶ女はこちらで構わん!」


 そう言いながら、紙とペンを取り出した。


「奈緒子、誓約のやり直しだ。俺はお前が飼う女と今後は遊ぶ!」


 そして何かを書き始める。
 奈緒子は興味深く見ていた。
 
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