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地獄
第36章 二匹
 二人が立ちあがると、男は大きくガニ股になる。
 横幅はほぼいっしょだが、縦の長さが違う。
 ガニ股はある意味仕方ない。
 ベッドはダブルよりもう少し大きなベッドで、北欧で造られた一品である。つまりダブルでも向こうの人間サイズなのだ。
 敷具厚みはあるが、学校の体育に使われるマットのように固い。
 そのために何処も手をつかず、後から嵌め外しをすることは安易に簡単で、思いのほか安定感があった。


「奥の奥まで、着てます! 子宮が! 子宮がぁ!」


 汚臭愛が歯を食いしばり、首を横に振る。
 坂本がそれを見ながら、後から真上に突き上げるように腰を使う。
 女の身体を後から抱え、前かがみの身体を上に反らす。
 するとマジックミラーの鏡に、汚臭愛の泣きそうな顔が写りデカい胸が写る。
 股には下から真っ直ぐにの伸びる徴が、密穴を捉え毛深い密林が艶やかな光を放っていた。


「エロ女め! 気持ちいいか!」


 坂本が抱え込んだ腕をデカい胸にまわすと、激しく揉み下し乳首をこねくり回す。
 下からはガツン! ゴツン! と徴を突き上げ、根元から愛液が灰汁となり滴り落ちている。


「いい! 壊される!」


 汚臭愛が、言った。


 マジックミラーの向こう側、シースルーの場所には子供達と旦那のカラー印刷がある。
 彼等は母であり妻である家族が乱れていく姿を、目の当たりにしている。もしカラー印刷でなく、本当の家族だったらどうなるのか? そんな心配をしてしまうくらいに、汚臭愛は地獄へ堕ちていた。


「いい! イクー!」


 汚臭愛が大きな声で叫ぶ。
 まるで性獣のように! 何時しか性獣は坂本だけではない。
 男と女……二匹になった。

 
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