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地獄
第11章 家畜
 奈緒子が目を白黒させながら坂本を見る。


「オチ○チンが……なんで?」


 奈緒子が疑問をぶつける。
 坂本がニヤニヤしながら、頭を撫でてやる。
 

「奥さんが悪いんだ。奥さんが凄いから。下を向かないチ○ボを説得するには、味わい尽くすしかない。もう一度聞く。両手を自由にしてやろうか?」
「……帰りたい。帰れますか?」


 奈緒子が再び号泣する。
 鳴き声は大きく、比較にならないくらい泣きじゃくる。まるで子供のようだった。


「帰してやる! 間違いなくな。しかしまだまだ時間がある。これでいいか?」


 坂本が優しく諭す。
 その声は優しく子供を宥めているようにも見えた。
 奈緒子が意外そうな顔をしている。もっと激しく罵声に暴力を浴びせられると思っていた。
 しかし実際は、優しく接してくる。


「解くんだ悪くはないだろ? そのわかり両脚は鎖を絡ませるぞ」
「わかりました」
「それでは解かん! 感謝の言葉くらい贈れ!」


 勝手に縛ったのは……そんな言葉を飲み込む奈緒子が感謝を示す。


「ありがとうございます。自由にして下さい」


 涙混じりの可愛い声を坂本に贈る。
 坂本はコクンと頷き手際良く、ロープを解いていく。ロープを奈緒子から解放すると、心残りを示すように赤い痣ができていた。
 真面目な奴だな。そうロープを労うとそれをベッドの脇に置く。そこには長さのことなる仲間がたくさんいた。


 奈緒子の両手に感覚が戻る。するとどこかホッとしていた。やはり手の自由は、ありがたかった。


「さてと、奥さん。四つん這いになれ」


 坂本がいきなり言った。
 
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