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地獄
第15章 予測不能
 移動式滑車は片脚に一つで、二つある。
 両方共に動かすことでき、固定させることももちろん可能だ。

 坂本が脚立に登り、移動式滑車の端のストッパーをして固定する。ストッパーは滑車の横に留め金を引っ掛けるレバーがありそれを引いて固定させる。
 双方の一番遠い場所でそれをすると、次は滑車にある鎖を引っ張る。
 ジャラジャラと音をたてながら鎖を上げる。すると拘束された足首が浮く。それを坂本が確認すると、引っ張り上げた際に降りてきた鎖を床にあるフックに掛けてフックを閉める。すると滑車を支点にして、フックが力点、足首の拘束具が作用点になり安定させた。
 それをもう片方の足首にも行うのだが……。


「奧さんの開脚具合を調べてやる」


 坂本がそう言うと、鎖を引っ張り上げる。するともう片方の脚が思いきり開かれる。



「なっ!」


 奈緒子が驚き、どこか呆れる。
 大掛かりな装置にしては、行うことが脚の開脚だけだからである。


「本来はさっきも言ったが、お仕置き用で奧さんを吊り上げる装置だ。粗相をしたらコレで虐めてやる。これはかなり頑丈にできているが……使う時には慎重に扱ってやるそれだけは慈悲深い心を持とう」


 坂本がニタリと笑う。
 相も変わらず、気持ちが悪い笑顔だった。
 

「奧さんの脚、すごく開くな」


 坂本が感心していた。
 実際にかなり開いていて、「V」字とは呼べず角度が緩い「へ」の字を反対にしたものに近い。
 白く美味そうな肉付きの脚は、柔軟性をも兼ね備えていた。
 股は丸見え。
 密林、裂け目はしっかり見える。
 それだけで、エロを醸していた。
 

「あっ、そうだ。アレを使うか」


 そう言うと、どこかへ消えていった。
 奈緒子は少しほっとかれる。
 

「私、これからどうなるの?」


 奈緒子が自分に聞く。
 坂本に拉致され今までたくさんの恥辱を受けた。忘れたくても、忘れることはできない。
 これからも続く恐怖が頭を過ぎる。


「もういや」


 弱々しい声で悲観した。
 どうにもならないと……。
 


 
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