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第1章 突然の訪問

「女官長、すみません」

「どうして謝る」

「低い身分でありながら、女官長に
支えてもらっているからです」

弟意外の人に支えてもらうのは久しぶりの
ことで戸惑っていた。女官長なら尚更だ。

「そなたはには期待をしているからな。
今日の夜、使いが来る。そして
皇帝の前で歌うのだ」

「皇帝の前で、ですか」

正直驚いている。何かの雑用をさせられる
とばかり思っていた為、急に皇帝に会うと
言われれば驚くのも当然である。

「そうだ。まずは先に湯に入るがよい。
春、この者を湯堂に」

「はい」

その後は春という女官に案内され、湯の中に
入った。湯の上には花びらがある。目には
見えないが、香りが情報を教えてくれる。
緊張も少しずつ消えていくのが分かった。