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官能的大恋愛
第13章 手作り弁当の野望
バイト帰りに具材を買って、夜に作れるものだけ作って、当日の朝は早起きをして、おにぎりだの卵焼きだのナポリタンだの作って、100均で買ったデカタッパに詰める。

最近は家の側まで迎えに来てくれるから、ギリギリまでのんびり出来る。

出勤前の父にも、ひやかされて言われる。

「手作り弁当だなんて、変わったなぁ」

「変わってないわ!あんたら一体何なのさ!」

ったくもぉ~。

「そんな事までするって事は、意外とお父さん、敏子は彼に本気かもよぉ~?」

「そうかぁ、本気かぁ。お父さんはいつでも報告して貰っても構わないぞぉ?」

あのねぇ~…すぐそっちに話を持っていくんじゃないっての!

「結婚する程、私ヒマ人じゃありませんからぁ~」

早く仕事に行けよ、クソ親父!

父は母の手作り弁当を持って、

「じゃあ今日も頑張って行ってくるよ」

出掛けて行く。

同時にナガタッチからの着信。

「もしもし?」

「おはよ、トシコッチ。着いたよぉ」

ゲッ!!バッドタイミングってやつ。

今、外を出ると父とナガタッチと3人が遭遇してしまう。

「お、おはよ、ナガタッチ…もうちょっとだけ待ってて」

「分かったぁ……あっ!」

いきなり何なの?

ナガタッチの声にピクッとした。

「トシコッチのお父さんだ…」

えぇっ?!…最悪ぅ~!!

「見たの?」

「見た見た、目が合ったかも」

「グラサンかけてないの?」

「かけてるよぉ~ん。…でも、こっち見たもん。軽く会釈しといた」

うわぁ~!…もう本当に嫌だぁ~!!

「もぉ~…今そっち行く」

私はブチッとスマホを切って、お弁当の袋を持って出て行く。

「いってきまぁす」
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