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愛してるからこそ...
第8章 突然の昇進
その日はあっという間に定時になった。
外回りから帰った俺はデスクをみて肩を落とす。
今日は残業だな。と落ち込んでると
隣から朱里が顔を出す。
「課長ー?帰らないんですか?」
「これ見て帰れると思うか?」
朱里はうっ...。って顔をしていて
それを見て俺は苦笑いしか出来ない。
「今日は一緒に帰れそうにない。
先に帰っててくれ。タクシーで帰れよ。」
「まだ時間早いから電車で帰れるよ。
お仕事無理しないでね。」
「あぁ。カーテンと鍵ちゃんとしとけよ。」
「分かってるよっ!」
べぇーっと舌を出し営業部を出ていく朱里を
入口近くまで見送る。
朱里を見届けた後デスクに座って書類をみる。
はぁー。とため息をつくと後ろから声が…
『お見送りまでしてー。
本当に課長は朱里さんが大好きなんですね!』
小池だ...
いつ見てたんだよ…
「よく見てんな?」
『そりゃあんなラブラブっぷり見せられると
嫌でも視界に入ってくるからーふふふ』
こいつは...
「小池も早く帰れよ。じゃぉな、お疲れ様」
『はい。お疲れ様です。』
小池は営業部を出た。そして俺はドアの閉まる
音を聞いてから書類に向き合う。