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愛してるからこそ...
第11章 いろいろな準備

8月8日に入籍するにあたって
婚姻届に保証人のサインを書いてもらわないといけない。
私はお父さんにお願いした。
正人は誰にするの?と聞いてみると
「…海兄さんにお願いしようかな。
書いてくれるかな?」
唯一正人を見捨てなかった身内。
先生なら喜んで書いてくれると私は思う。
「お願いしにいこうよ。
ご飯うちに来てもらって食べてもらわない?」
「そうだな。連絡取って都合聞いてみるよ。」
正人の身内が見つかったこと。
そして先生は正人の味方だったこと。
これが何よりも嬉しいことだった。
正人の家族、身内がいないと聞いた時には
すごく不安だったし悲しかった。
あんな辛そうに話す正人を見て胸が痛まないなんてありえない。
でもどうしてだろう。
見つかった時は少しモヤモヤしてしまったのは確かだった。
「何考えてる?」
展示場からの帰り道正人は私の異変に気付いた。
よく見ているから直ぐに気付く。
「あのね...
ううん。何でもない。
先生予定が早めに合えばいいね」
「本当になんもねぇの?」
ないよ。と言って明るく振る舞うようにしていた。
正人に変な負担をかけないようにするために...

