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愛してるからこそ...
第15章 唯一の親戚
『えー。そんなぁ…』
林を放っておいて海兄さんと話を続ける。
海兄さんは自分だけ呼ばれたと思っているみたいだけど
俺はおじさんにも来て欲しいと思っていたし
朱里も来てもらなよ!と言ってくれた。
「海兄さん、モルディブにおじさんも来れないかな?」
海兄さんはビックリしていた。
でもそのあと少し悲しそうな顔で…
『親父は今生活するのでいっぱいいっぱいで
海外に行く余裕はないんだ。
お袋が作った借金返してまだ余裕もないしな。』
なんだそんな事か。
「海兄さん。
俺達が海外ですることを選んだんだ。
だから参加する人に
旅費を出してもらおうなんて思ってないよ。
式の日の夜とその翌日の宿泊費までは持つから
あとはそのあと宿泊したいなら
それは自己負担してもらうことになるけど…
だからおじさんと一緒に来てよ。
唯一の俺の身内なんだから。」
海兄さんは唇にぎゅっと力を入れて少しだけ下を向いた。
『正人...』
海兄さんはそれ以上の言葉は言わなかった。
多分林が居る事に気をつかったのだろう。
「だからおじさんと二人で参加してくれよ。
待ってるから。」
俺はまた連絡する。と海兄さんの病院をあとにした。