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愛してるからこそ...
第15章 唯一の親戚
例の定食屋に連れていくため運転している俺に
林は小さな声で話しかけてきた。
『あの…結城先生が唯一の身内って…?』
聞にくいことなんだろうけど
そんなに声が出ないもんなの?
「俺の親父は3歳の頃女作って出ていった。
お袋は小三の時に事故で死んだ。
祖父母に引き取られたけどその祖父母も
中三の時に心中して
そんな俺を毛嫌いした親戚は誰も手を差し伸べては
くれなかったんだよ。
でも海兄さんはそうじゃなかったみたいだけどな。」
部下に何を話してんだ俺は...
今となってはもう悲しいことでもない。
「ま、あんまり気にするな。」
林に考えさせたくなかった俺は
それだけ伝えたかったのに林から帰ってきた答えに
俺はド肝を抜かれた…
『俺の彼女孤児なんです。
施設でた子で…
俺は親兄弟いるから苦しみは分からなくて…』
同棲している彼女がいると聞いたが
その子が朱里とは正反対でズバズバ言うし
テキパキしてミスがない子だと。
『だから家族の話もできないし…
どうしたらいいんですかね...』
家族がいない俺に聞くか?と思いつつ
俺はどうだったんだろうと考えることに…