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第2章 例の経理の女

『だから、私にしとけばいいのに。』

「何でだ？」

『ほら、いろんな意味で満足させてあげられる。』

「生憎だが間に合ってる。
さっき言ったろ。俺はもうあいつしかいらない。」


すると鎌倉はまだ続ける。


『彼女には華がない。
私なら結城課長に相応しく華を咲かせられる。
彼女は仕事一筋みたいだし？
だから昇進試験まで受けて役職ももらって。
もう結婚出来ない女の道を進むみたいな
感じじゃないですかー。』


こいつみたいに適当に仕事してる奴は
そう思うんだろう。
結婚したら退職して家庭に入りと
考えているのだろう。

朱里はこの仕事が好きだと言っていた。
だから俺は結婚しても続けてほしいと思う。
もし子供が出来たら産休で休めばいい。

子育てをしていると大変だろうから
俺も協力するつもりでいる。
お互い仕事するなら協力するのが当たり前
だと思っているから．．．

「鎌倉。これ以上付きまとうなら
警察に言って相談する。
自分の名誉を傷付けたくなかったら
これで終わりにしてくれ。」


鎌倉は一瞬怯んだように見えたが
ここでひいてはいけない。
もう一押しだと続けた。

「警告や接近禁止命令だしてもらう。」