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愛してるからこそ...
第23章 波乱の年末年始



『結城さん今回は残念でしたが
体調しっかり戻して赤ちゃん迎えてあげましょ?

今回は階段から落ちたことだけじゃないかもしれない。
初期の流産は染色体異常とかでも有るかもしれないの。


また2人のところに来てくれるように
しっかり休んでね。』


泣き止んでいるものの放心状態の朱里。
そんな朱里の手を握りしめるだけの俺。

「会いたかった...
産んであげたかった...

愛情たっぷりで育ててあげたかったのに。」


泣いている朱里をみていると辛い。
本当に悪かった。

「本当にごめん。」

涙が止まらなくなって下を向く。
すると俺の涙が朱里の手に落ちた。

「正人?」

「ごめんっ...!ホントごめん...」


柄にもなく泣いている。
本来の俺はこうじゃないはずなのに…

朱里に愛想尽かされるかもしれない。
もう正人とは居られないと捨てられるかもしれない。

本当にそうなれば次こそ孤独な人間になるんだろう。
そうなっても仕方ないと思いながら
どんな顔をして朱里と向き合えばいいか
分からなくなって顔を上げられなかった。

「正人?泣いてる…?」

優しく声をかけてくれる朱里に
合わせる顔がなくてそれでも下を向いたままだった。




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