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愛してるからこそ...
第24章 バレンタイン
エントランスに行くと入口の近くに正人が
たって待ってくれていた。
入口の自動ドアをでると
近づいてきてくれて頬に手を当てた。
「ありがとう。助かった。
冷えるから早く営業部戻れよ。」
「今日も帰りは遅い?」
「あー、どうだろ。
なるべく早く帰れるように頑張るよ。」
私はうん、頑張ってねと言って
正人が乗って去っていく社用車を見つめていた。
見えなくなるまで見ていると後ろから声をかけられる。
『あら?あなたは…』
ブルっと身体が震えてしまった。
振り返るとそこに居たのは
初詣で会った正人の元カノだ。
「な…なんで…?」
『何こんな所で他の男を見送ってるの?
なら正人を私にちょうだいよ?
どうせ正人のことなんて愛してないんでしょ?』
嫌だ嫌だ嫌だ!!!
もうこの女の声すら聞きたくない。
「辞めてー!!」
私はその場にしゃがみこみ耳を塞いだ。
聞きたくない。
なんでこの人がこんな所にいるの?
嫌でどうしていいかわからない時
受付から香織ちゃんが来てくれた。
『失礼ですが我社の者に何か?』
「この人結婚してるのに
他の男を見送るって不倫してるんじゃないの?」
大声で言うから周りがみんな見ている。