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愛してるからこそ...
第24章 バレンタイン
社員のみんなも正人の姿を見ていない人は
私を見てヒソヒソ話をしている。
会社で堂々と不倫?と聞こえる声に
反論したいけど声が出せない…
『さっき見送っていたのは彼女の夫です。
変な言いがかりはよしてください。』
香織ちゃんが言ってくれたけど
その元カノは違う反応をみせる。
『へぇー。正人この会社なんだ。
意外と近くに居たのね。
ま、居場所知れてよかったわ。』
そう言いながら会社の前から去っていった。
香織ちゃんが言ってくれたおかげで
不倫だと言うのは誤解だと知られた。
でも、やっぱり身体が震えてここから動けない。
『朱里ちゃん。歩ける?医務室行く?』
香織ちゃんが提案してくれたけど
今日営業部に誰もいないから私が居ないと…
「大丈夫。ありがとう…」
『本当に大丈夫?』
私は大丈夫と返事をしてエレベーターで
営業部に戻り自分のデスクに座った。
元カノは家の近くの神社で会ったのに
ここまで来ているならまた会う可能性が高い。
私が知らないところで
正人と接触されるのは嫌だ。
でも仕事の時間は違うし…
頭の中でよからぬ事を考えてしまっていると
涙が出てくる...