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愛してるからこそ...
第24章 バレンタイン



もぐもぐしながら聞いてくる希望。
そんな彼女をみていると食べたくなかったけど
少し食べたいなと思えていた。


「お昼にしようかな。」


小さな声で呟いてお弁当を広げた。
今日はお父さんも正人もお弁当が要らなくて
お兄ちゃんと二人だけだったから
手抜きでいいと言われて本当に手抜きだ…


『美味しそうですよね?朱里さんのお弁当。
部長は幸せでしょうねぇー!』

ニコニコしながら希望が言うから
正人は本当に幸せなんだろうか?と不安になってしまう。

するとやばい!こんな時間と
慌ててお弁当をかき込んで食べた希望は
慌てて営業部を出ていってしまった。

嵐のように去っていった希望…
居なくなるとまた虚しくなってきて
食べないといけないお弁当も喉を通らない。

食べないでおこうとお弁当を仕舞おうとすると
後ろからその行動を止められた。


「食わないのか?体調悪いか?」



この声は...

もう辞めてよ。今は優しくされると
涙が出ちゃうんだから。

「美味そうな弁当なのに食わないのは
勿体ないと思うけどなぁ…」

そう言って頭の上に手が乗った。
と思ったら椅子を回転させられて
正人と向かい合う事になってしまった...



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