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愛してるからこそ...
第24章 バレンタイン
「やっぱり泣いてんじゃねぇか。」
ぐずっ…ぅっ…
なんで帰ってきての?
今日は一日外出って言ってたのに…
「なんで…?」
「水本から連絡もらった。
絡まれた女って誰だ?」
言えない。あの時の元カノだなんて
言ってしまうと平穏だった日々が壊れそうで…
「大丈夫。通りすがりの人だから。」
上手く誤魔化せたと思っていたけど
香織ちゃんは流石に秘書課なだけあって
きっちりと報告していたらしい。
「んなわけねぇだろ!!
俺の名前知ってる時点で知り合い確定。
誰だ?」
怒りが混ざった言い方で
私はサラッと喋ってしまった。
「初詣で会った元カノ...」
正人ははぁ…と言いながら
悪かったな。俺がここまで書類取りにこれば
辛い思いしなかったのにな。と謝ってきた。
「会社バレちゃったよ?」
「だからなんだよ。
知られてもいいんじゃん。
バレた方が会社の奴ら知ってるし
変なことしてこねぇだろ。」
あの人は分からないじゃん…
何か執拗い性格っぽいし…
そう思いながら言うのを我慢した。
そんな中正人はお弁当の蓋を開けて
お箸を手に取りあーんと言いながら
食べさせようもしている。