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愛してるからこそ...
第3章 家族
『結城くん。朱里と真剣なのは分かった。
だが結婚するならば君の御両親にも会っておきたい』
お父さんが言ったことばに私も。と思っていた。
でも次に正人から言われた言葉に家族中が
言葉を失ってしまったのだ。
「俺には家族がいません。」
「え?」
私は咄嗟に声を出してしまった。
どういうとかね?とお父さんの問いかけに正人は
表情をしかめながら続きを話した。
「俺の父親は3歳の頃女を作って出ていきました。
お袋と2人で古いアパートで生活していました。
お袋は朝も昼も夜もずっと働いてたんです。
けど小3の時にお袋は夜のパートの帰りに
飲酒運転の車に轢かれて死にました。
それからは母方の祖父母の家に居たのですが
小さな町工場を経営したいた祖父母にも
あまり接してもらえませんでした。
また町工場も経営が苦しくなり中3のころ
借金苦で二人とも工場内で自殺してたんです。
それを発見してしまったのも俺でした…
俺が祖父母のところに来なければ
こんなことにならなかったのかと悔しくて…
高校は全寮制だったのでバイトしながら
大学は奨学金で行きました。
だら家族はいないんです。」