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愛してるからこそ...
第3章 家族




お父さん、お母さん、お兄ちゃんが
見事に黙りになってしまった。

それでも正人はまだ話を続けたの。

「父方の親戚は誰も接触してきてもらえなかった。
母方の親戚は俺を哀れな子という風にしか見ず
誰も手を差し伸べてはくれなかったんです。

だから高校生の時から1人で生きていくと
決めてやってきたんです。

大学を出てから今の会社でガムシャラに
働いていました。
それから奨学金を5年で返し終えました。

朱里と付き合うようになって
すぐに伝えようかと思いましたが
朱里の性格上それをすると
無理して、何かしようとするから
今まで言えなかったんです...」


だから私は決めたの。
同棲していつか正人に家族をつくってあげたい。

しばらく無言だった私の家族。
だから私がひとことだけ言った。


「私が正人の家族になるから同棲してもいいよね?」

お兄ちゃんはいいじゃないか。
こうやってちゃんとしてくれてるんだし
何よりは朱里の気持ちも同じなら問題ないだろうと。

それに加えお母さんもそうね。
うちにもう1人子供が増えたのよ。と笑っている。


お父さんは下を向いたままだ。
やっぱり反対なのかなと思っていたけど
ポタっと手の甲に水滴が落ちたの。

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