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愛してるからこそ...
第28章 あの日からもう一年



安藤くんは頭を掻きながら
須藤には適わないよ。と言った。


『そんな人だから好きになれたんだ。

後悔はしてないよ。
どう頑張っても結城には勝てないから。

須藤も結城と仲良くしなよ?
なんかあったら相談にのるから。』


そう言い私の頭をポンと叩いて
倉庫のあるフロアから居なくなった。

私はしばらく動くことが出来なかった。


『そんな人だから好きになれたんだ。』って
安藤くんは私が…?

ないない!なんでこんな私の事?


色々考えていると倉庫に来たのに
何もする気になれなくてそのまま営業部に戻った。

定時まであと少しだから
デスクの整理をしながら時間が過ぎるのを待つ…

今日は何も手につかないから早く帰ろう…


デスクのファイルを引き出しに入れ
やっぱり出してはまた仕舞う。
その繰り返しの作業をしてる私

それを遠くから見ている正人がいることに
気付かなかった。

私の営業2課係長席の内線がなる。
それにも気付かない程に手につかない。

『係長?内線鳴ってますよ?』

林くんに言われて受話器をとり
はい。と言うと右耳の受話器と
左耳から【仕事しろ!!】と大きな声が聞こえた…


見かねた正人が内線を鳴らしてきたのだ…




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