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愛してるからこそ...
第28章 あの日からもう一年
定時までなんとか仕事をして
残業なんて出来るはずもなく直ぐに帰ろうと
荷物を持つと正人が前に現れて
帰るぞといい私の手を引っ張り歩く…
駐車場に着いて車に乗せられると
優しい声でどうした?と聞かれた。
安藤くんに言われたことを自分で言うことが
恥ずかしかったけど正直に話す。
「安藤くんに好きだったって言われた。
でももう諦めて今は真剣に希望ちゃんと
付き合ってるって...」
「あいつ言ったんだ。
言わずに墓場まで持って行くと思ってたわ。」
笑っている正人を見てさらに何も言えない。
開いた口が塞がらないとはこのことだと思う。
「さてビールそろそろ無くなりそうだし
スーパー寄って帰るぞ。」
あんな話を聞いて普通の正人。
「ねぇ、何も思わないの?」
「ん?直樹が朱里を好きな事くらい
分かってたことだしな…
今奥村と幸せならそれでいいんじゃねぇの?」
知ってたんだ安藤くんの気持ち。
私は全然知らなかったと正人に言う。
「当たり前だろ。
お前に知られないようにするだろ。
俺と付き合ってて結婚までしてるのに
それでも想い続けるようなバカじゃないぞ。」
同期だから分かることなのかもしれない。