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愛してるからこそ...
第6章 家族への報告
「もう辞めてくれよ。
ガキじゃないんだしもうそんなの気にしてない。」
正人は困ったように苦笑いしながら言った。
「本当にに辛い時こそ助けを求めにくい。
どうすればいいかガキの頭で考えて
精一杯やったんだ。」
正人は昔のことを先生に話そうとする。
でも私は聞きたくないと思ってしまった。
正人が言うように過去は過去
今は今、未来は未来というように
昔のことを掘り起こしたところでどうにもならない。
「あん時海兄さんの親が俺を毛嫌いした。
確かに俺がいたから
お袋は働きっぱなしで事故にあった。
じぃとばぁに世話になったから
苦しんで死んだのかもしれない。
だからこそもう人に助けてもらうのは
嫌だったんだよ。」
正人の苦しみは私には分からない。
ただ、事故で母親を亡くした辛さはよく分かる。
私はもう大人だったけど正人は子供だった。
その辛さは計り知れない…
先生はすぐ正人に言葉を返す。
『あの時の母はおかしかった。
でも、俺と父さんは本気で正人を引き取ろうと
話し合ったんだ。
母さんはジィちゃんらの葬式のあと
すぐに亡くなったからね...』
正人は嘘だろ。と先生に言った。