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愛してるからこそ...
第6章 家族への報告
『母は顎関節症で昔から苦しんでいてね、
その痛みが和らぐとどこかで覚せい剤に手を出した。
快楽に溺れさらにはまってしまい幻聴、幻覚が
あったんだと思うよ。
だから正人にあんな酷いことを言ったんだ。
じゃないとあんな事言う母じゃないから。
ジィちゃんらの葬式のあと
1ヶ月くらいしてからかな?
遺書と空になった通帳、さらには
借用書まで置いて死んで言った。
母さんなりに後悔はしていたみたいだよ。
正人くんに冷たくしてしまってごめんなさい。って
遺書には書いてあったからね。
本当は早くに探して引き取りたかった。
父といろいろ探したけど母の作った借金を
返すことが大変でね…
だから僕は医者、歯科医師を目指した。
母のためだったんだろうけど...』
正人と先生お互いが辛い思いをしたんだ。
私は二人にバレないように泣いてるつもりだった。
ポタポタと涙を流しヒクッとならないように
必死で耐えようとしていたのに。
「ちょっと待って海兄さん。
朱里お前泣きすぎだろ。
なんでお前が泣くんだよ...」
「だってーーーー...」
正人と先生はそんな私を見て少し
ひいていたのかもしれない。