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Restraint
第4章 12
「興奮したら痛むのか」
追加の氷を持ってきて
朱色に色づいた胸元の傷にタオルを巻いた氷を乗せる
「悪い」
「患者だからな
医者の俺が面倒を見るのは当然だろう?」
俺の横に座って、またパソコンを触り始める
「真央も、つらいって言ってた」
「真央?鴻?」
「そう、オヤジの兄貴
あの人左肩すごい爛れてて、背中に大きな切られた跡があるんだよ」
何度か見たことがある
来威は、プールや海には連れて行ってくれなかったから
代わりに真央が連れて行ってくれて
いつも上着を着る真央の上着を脱がしたことがある
そのときに目を覆うほど傷のついた、爛れた背中があった
それを母親にやられたのだと言うのだから
来威が俺らを大事にする理由が分かるし
過保護になるのも、なんか、分かる気がする