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世界で一人だけの君へ
第4章 魔性の彼女
ああ...
もう だめだ...
抑えきれない...
僕は傘を入口から見られないように盾にして槙さんを抱き締め唇を奪う。
槙さんの顔に大粒の雨があたり唇に流れ着く。
僕の興奮し彼女の唇を貪る水音は雨音に掻き消され二人だけの世界へと引き込む。
槙さんは僕にされるがまま呆然と立ち尽くしている。
僕に応えてくれない槙さんの反応が気になり唇を離す。
「准一くん...」
槙さんは困ったような泣きそうななんともいえない目で僕を見つめる...
「槙さん 好きです」
僕は槙さんをまっすぐに見つめ
雨音に紛れ告白する
槙さんが僕から視線を外す
「ごめんね准一くん。
あなたは今一番大事な時よ。
付き合う相手は考えた方がいい」
「どういう意味?
僕は槙さんが好きなんです。
好きな人と付き合いたい。
好きな人を抱き締めたいと思うのはいけないこと?」
槙さんは大粒の雨が降り注ぐ空を見上げた。
「普通ならね。
普通の高校生ならそれでいいと思う。
でもあなたはアイドルでこの先もこの世界でやっていくんでしょ」
槙さんが僕を見つめる。