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世界で一人だけの君へ
第7章  高校球児
男達に腕を押さえられ
肘を踏みつけられる

『ッッッ!いってぇぇぇぇ』

『お前甲子園目指してるんだろ。

 話題のイケメンピッチャーくん!』

そう言って踏みつけた肘を蹴りあげられた。

『うっ...』

『なあ、神様って公平じゃねぇよな』

そういって胸ポケットからナイフを出した

『やめてぇぇぇぇぇ』

女子高生の叫び声


ーーなんだよ、逃げられなかったのかよ。

  俺のやったこと意味ねぇじゃん。

なぜか目の前にちらつくナイフを見ながら冷静に思った。


『やめろ!!!!!』

友達の声

ーーお前も捕まってんのか...
  俺たちカッコ悪いな。


そう思ったとき俺の肘に
ナイフがグサリと刺さった...

『ヴッ グウッッ

 ギャァァァァァァァァア』

あまりの痛みにおかしくなりそうだった。

俺の腕からは血が吹き出した

『やっ やべえよ』

俺の腕を押さえていた男が俺の血しぶきに怯え腕を離した。

遠くにサイレンの音...

『やべえっ 逃げるぞ!』

男たちは慌ててその場を走り去った。

俺は痛みで気が遠くなり始めた。


『ごめんなさい 私のせいで...』

女子高生は俺の血の流れ出る肘を押さえて泣き出した。

『君のせいじゃないよ。
 っなんともない?』

限界の意識の中彼女に声をかける。

『はい。ありがとうございます』

女子高生は泣きながら必死で俺の腕を押さえていた。
彼女の指の間から俺の血が流れている。
彼女の涙が俺の傷口に落ちる。
その涙は不思議と温かかった。


『よかった...』

俺はそのまま気を失った。


もう、俺の野球人生は終わった...

甲子園も...無理だろうな

普通の生活は出来るのだろうか...


そんなことを思っていた...


しばらくすると俺は痛みから解放された。

自分の腕はなくなってしまったのだろうか...



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